|
詩人:どるとる
「おかえり ただいま」
何気なく 言葉にしているけれど
あとどれだけ言えるかな
あなたにいつまで言えるかな
エプロン姿のお母さんがドア開けて
あなたの帰りを待ちわびてたように
笑顔で今日も出迎えてくれる
そんなことも知らずに
ちゃんとまともにただいま言えなかった
家に帰ってもお母さんはもう
出迎えてはくれないよ
だってもうお母さんはいないから
もっと もっと 困らせたい
まだまだあなたの世話になりたい
でもそれもかなわない願いになってしまったんだね
ああ ただいまを言えないままの
絡まった気持ちだけが残ったまま
あなたにもらったおかえりの声だけ
いつまでも僕の胸につかえたまま。