詩人:もとり
歩き疲れた僕の脚は
もう痛くて 動かない
嫌だ 嫌だと呟けど
君の姿さえ もうすでに遙か彼方
作った笑顔は
上手く泳ぐ為の処世術
どんな時でもするりと交わし
心を擦り減らし 生きていく
周りの意見に合わせていたら
いつの間にか僕の意思は
手の鳴る方へ
慰めながら
心の中で舌を出し
笑いながら罵声を吐いて
涙を流しながら
人の不幸をほくそ笑む
僕の心は酷く捻れ
歪んでもう元には
戻らない
戻れない
それでも表面に出さなければ
誰も僕の心に気付かない
綺麗事だけを吐き出して
醜い部分を包み込む
慣れきった笑顔の仮面を被り
また独りで歩き出す
汚れきった弱さを隠して
生きていく