詩人:緋文字
お互いが納得していれば
通用しないものだろうが
非難されるものだろうが
構わなかった
その人は嬉しそうだったし
私もたいそう助かった
尊敬できる人だった
裏切られた気分もしたが、
有り難い申し出とも思った
昼の会社勤めで手一杯だった
娼婦じゃなく情婦なら
変なプライドだけあって
誇りなんて都合好く無かった
互いに対価として当然と思っていた
薄ら寒い関係よりも
温かい時もあった
別人格だ
その人が好む私と
私が かけ離れてきたので
次第に離れた
その頃にはもう必要も無くなっていた
いま思い返すと
気味の悪い話で
罪悪感がなかったこと
でも今でも
お互いが納得していれば
時としてよいのではないか
そう思えてしまう
別人格のインモラルな私
もう戻ることは無いけど
それも 私