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[189317] いっきゃくの椅子

詩人:どるとる

例えば僕が椅子の脚なら
君は椅子のどこだろう
座る部分かな それとも背もたれかな

愛されたり 愛したり繰り返してるけれど
振り子みたいな毎日の中で気づくんだよ

身をあずけたり支えてもらったりしながら
僕も君を支えたりしたいんだってこと

きりもなく繰り返した強がりは空回りして

結局いつも肝心なところでつまずいてしまう

助けてもらってはじめて自分のいたらなさを知るよ

ありがとうもごめんねも 聞きあきたかな

でも、飽きても飽きても聞いてよ
「僕は君を愛してるってこと」を多分君に気づいてほしいんだと思う

だからこのまま 君が安心して 座れる椅子になりたい
どんなときでもためらわずに身をあずけられる居場所になりたい

例えば椅子から立ち上がるときは
人生の終わりを迎えるときなら
椅子に座ったときから人生は始まる

悲しいことも少なくはないけれど
昨日の雨が嘘のように晴れたらうれしい
笑うために生きてる

百年ほどの長距離の旅 競う理由もないから ゆっくりマイペース

どこにゆくんだろう 宛もない旅の行方は

風さえ知らない 気まぐれなルート

用意ドンの合図もなく 走り出した旅の行く先は雲の中

ありがとうもごめんねも 聞きあきたかな

でも、飽きても飽きても聞いてよ
「僕は君を愛してるってこと」を多分君に気づいてほしいんだと思う

だからこのまま 君が安心して 座れる椅子になりたい
どんなときでもためらわずに身をあずけられる居場所になりたい。

2015/09/30 (Wed)
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