詩人:どるとる
何気ないくらいに毎日どこかで誰かが
死んでいることに気づいてしまったんだ
幸いなことに恵まれている僕たちは
好きな物を食べ きれいな服を身にまとい
何不自由ない生活をしている
それでも不満を言うのはただのわがままと気づきもせずに
無い物ねだりでそれ以上何を欲しがるの
誰かが羨ましがるような暮らしを手に入れててもなお
君は贅沢に多くを求めてしまう
肥え太った人たちは働くことを知らない
誰かが汗を流してることをあざ笑ってる
何もやらなくてもそれなりに生きられる
そんな便利な時代に生まれた不幸を嘆く
人たちが果たしてどれだけいるかなあ
人の欲望は果てしなく 何処までも底知れない
きっと求めているのはそれほど欲しい物でもない
ただいつでも埋まらない隙間を何かで塞ぎたいだけ
余白みたいな空欄を隠したいだけ
欲張ったぶんだけ腹が減る
捨てたのはきっと僕にとって 本当に大切だったもの
無い物ねだりでそれ以上何を欲しがるの
誰かが羨ましがるような暮らしを手に入れててもなお
君は贅沢に多くを求めてしまう
ほら、欲しい物を手に入れてもなぜか
満たされないのは本当に欲しい物を手放したから。