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詩人:どるとる
もしも世界が今日で終わるとしてそれを事前に知っていたら
僕は何をするのかな
きっとなにげにいつものようにただ一日中ぼんやり生きているかな
君と何を話すのかな
言いそびれてることはなかったかな
大切なことはきっと
世界が終わりでもしないかぎり気づかないだろう
たとえばあの人やあの人の存在のありがたさなんかも今日で世界が終わるなら痛いほどわかるだろう
なぜかそんなイメージふくらませたら
涙があふれた
今ここにある当たり前が当たり前でなくなったら そう思うとすごく悲しいから
ありふれたことはいつまでもありふれたものでしかなくて
いつまで待ってもよしんば待たなくても
ありふれたもの
ありふれたこと
そんなものすべて
消える日が来ても
ただ運命にしたがうしかない
こんな弱い僕を君はどう思うかな
世界が今日で終わるとしても ただ僕は君の傍にいていつもみたくへたくそな唄をうたってるだろう
うたいたいよ
最後の最後まで君の顔 君の声 君のぬくもり 見たりね感じたりしたいから
最後の口づけさえも悲しいほどいつもと同じ味
ああ 日が暮れて
空が真っ赤に燃えても
ちっとも悲しくない
僕の居場所はやっぱりここだけ
今日世界が終わるよ…
そんな事実にさえ「あっそうですか」といえてしまうほど今ある幸せに満たされている確かな証
ほらいつ死んだっていいんだ
大げさにいえばね
ありふれたことはいつまでもありふれたものでしかなくて
いつまで待ってもよしんば待たなくても
ありふれたもの
ありふれたこと
そんなものすべて
消える日が来ても
ただ運命にしたがうしかない
こんな弱い僕を君はどう思うかな
でもどう思うとしてもただひとつわかってることがある
それは君もまた同じだってこと
無力なんかじゃないんだ
なすすべがないだけ
それならそれで最後の1秒まで手を繋ぐだけだね。