詩人:愛
私は家を飛び出した。
『あぁ、春だ。』
外に出て、一番の感想がそれ。
桜がキレイだった。
私の上でひらひらと舞うソレ。
その桜を見ながら私ただただ歩き続ける。
『お母さん・・・。』
歩きながらお母さんを思い浮かべる。
私のせいで傷ついただろう。
私は悪くないんだ・・・でも・・・。
私は拳を握り締めふり返りながら走った。
”好きでアンタの子供になったんじゃない!”
私は走った。息が上がってきたけれど。
”私なんか生まなきゃ良かったんだ!”
なんてひどい事を言ってしまったんだろう。
私は走る。桜が舞い散る中。