詩人:善田 真琴
オマエの
一挙手一投足が
手に取るように見えて
逆にイラつく
なのにオマエときたら
オレのことが
まるで判ってない
タイミングが微妙に
ズレるのは
オマエがオレのこと
ちゃんと見てねぇからだ
そこ笑うトコか?
薄ら笑いで誤魔化すなよ
そうやって
火に油注ぐよな?
相方に説教されて
気不味いか?
なら、ちゃんとやれや!
アホ!ボケ!カス!
…そだな
お前の言う通りだ
お前の隣に
いるべき人間は
俺じゃないのかもな
俺…やっぱ降りるわ
はぁ?
オマエ
オレから逃げるのか?
今までオレたち
何年一緒にやってきたと
思ってるんだ?
それを全部
無駄にするつもりか?
オマエ
誰のお陰で
ここまで来れたと
思ってるんだ?
何の才能も取り柄もない
オマエみたいな奴を
見放さずに
傍に置いてやったんやぞ
判っとんのか!
…そだね
俺みたいなもんが
相方でなければ
お前はもっと
上の方にいていい人間だ
ごめんな
オマエはアホか!
なんで反論しない?
なんで怒らない?
どうして
オレの言う事なんかを
真に受ける?
オレは我が儘に
好き勝手やってる
オマエはいつも
我慢ばっかして
自分を抑えてる
オマエ一人が
いつも損してる
オマエは自分のこと
なんも判ってない
判ってるよ
俺には才能がない
お前の足を
引っ張るだけだった
もういいよ
判ったんだ
判ってねぇーよ!
まるで判ってねぇ!
オマエは器用だから
誰が相手でも
上手くやってける
だけど
オレが安心して
好き勝手言ってられるのは
オマエが傍にいるからだ
オレは人見知りで
内弁慶だ
高2の修学旅行の
グループ分けで
1人あぶれてたオレを
仲間に入れてくれたのは
オマエぢゃないか
学校が楽しいって思えたの
あれが初めてだった
オマエはオレが
持ってるモノ以上の物を
引き出してくれる
それが才能でなかったら
何て呼べばいいんだ
オレはオマエによって
泳がされ
活かされているんだ
オイ
もういいよ
聞いてて
こっちが恥ずかしくなる
さ、ケイコしよ?
やらし
ケイコと何すんの?
ベタすぎてオモんない