詩人:どるとる
偶然にこの世界に生まれ
偶然にこの生活におさまり
偶然にこの家族の一員になり
偶然に今に至る
僕が生きてきた道
僕が生きてゆく道
すべて偶然で片づけられたら多分楽なんだろうけれどどうしても偶然では片づけられないものが多すぎる
偶然がつくりだした世界で偶然に僕らは生きている
そんな理屈に合わない答は
糸を手繰り寄せるように偶然が偶然と折り重なって
偶然に今が紡ぎ出されたらほころんでいく僕もただのつまらない偶然になってしまう
そんなのイヤだな
だから僕も君も
偶然じゃ終わらない
何か大きな力で
この世界に咲いた
一輪の花さ
運命っていうほどの大げさなものでもないけど誰にも真似できないことだ
生んだりすることは可能だ
だけれど決められた定めを動かしたりするのはできないだろう
運命はその時にならなければわからない
だからこそ失敗したり予想をはずれたりしたときにそれは偶然だとか運命だとかのせいにして逃げようとする自分がいる
偶然の上に成り立つ
この世界の中に
確かにあふれた運命と思しきもの
今日も見つけたよ
ほら そこにあるよ
偶然をこえた何かとてつもない奇跡が光り輝いて立ち止まる僕をその光のカーテンで包んだんだ。