詩人:さみだれ
君たちを不愉快にさせる詩はいくらでも書けるよ
君たちを楽しませる詩はちっとも書けないよ
君たちの望む言葉の美しい並びを知らないし
君たちの選った好感の持てる詩を知らないし
だから
君たちには永遠に普遍的な詩なんだ
君たちには届かない思いなんだ
と
しかし
君たちにも同じことが言える
君たちも例外ではない
君たちの穏やかな詩が
君たち以外には穏やかではない
しかし
君たちにはその存在を認知することはできない
君たちにはその存在の心をうかがい知ることはできない
君たちの素晴らしい詩が
君たちにだけ素晴らしいのだとしたら?
君たちは天国に馴染んでいる
君たちは過去に見た地獄を忘れようとする
君たちの神様は都合よく詩を書いてはくれない
君たちの羽は見た目より機能性がよくない
だけど
君たちは気取って何でもない風を装う
君たちはなおも素晴らしいと賛する
そんな
君たちを楽しませる詩はちっとも書けないよ