詩人:どるとる
疲れはてた僕たちは泥のように眠った
気づいたらもう次の日の朝だった
悲しいことなんて何もないような顔して
大きな荷物を背負っているんだろう
流れる 雨のしずくがほほを伝えば
いつの間にか雨粒に涙が混じるの
それは映画の終わりに
そっと 流れるエンドロール
それによく似た雨の夜
今日あったすべてのことを忘れさせるように
抱えた痛みごと 洗い流してくれる
なんとなく 生きているような毎日でも
生き甲斐は誰だって欲しいものです
今日も窓の外を赤く染める夕暮れは
泣いちゃうくらい優しい色をしている
今日一日だけでもたくさんの出来事があった
まるで記憶のダイジェスト
それはなだらかに落ちていく
一分一秒がいくつも折り重なって
その人の人生のすべてになるんです
こうしてあなたが生きている今は
紛れもなく 人生の貴重なワンシーン
そして 映画が終わったあと
誰もいなくなった 映画館には
エンドロールを最後まで観ていた
人だけにおとずれる至福のときが
幕を降ろすように あなたを光が包む
それは映画の終わりに
そっと 流れるエンドロール
それによく似た雨の夜
今日あったすべてのことを忘れさせるように
抱えた痛みごと 洗い流してくれる。