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詩人:どるとる


そして僕は瞳を閉じる

あなたの声を思い出すように

記憶の糸を手繰り寄せてみる

離ればなれの 点と点は
地球と太陽のようです

闇に浮かぶ光 鏡に映る昨日の傷痕

ほら跡形もない 泡のように消えたから

まるでなかったことみたいに

真っ白に塗りつぶした世界

地平線をなぞるように線を引く

でたらめな呪文でやり込めた

宛もない祈りは宇宙をさまよう
衛星みたいに 行き場をなくした

まぶたの裏に ぼんやりと
浮かぶ あの日のこと

ゆっくりと 褪せていく 思い出は水性さ

溶けだした絵の具がにじんでしまえば

その先へつづいていく ひとつの道になって

今日と明日をつなげていく 夜明けを紡ぐ

闇に浮かぶ光 鏡に映る昨日の傷痕

ほら跡形もない 泡のように消えたから

まるでなかったことみたいに。

2015/10/24 (Sat)
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