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どるとるの部屋  〜 「蛍」への投 票 〜

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詩人:どるとる


通り過ぎていく 雨の音に

耳を傾ければ それは命の終わる音に似ていた

小さな悲しみもこの心を引き裂くには
十分過ぎるくらいなんだ

さよなら 夏の日に

宵闇の中に 浮かんだ
最後の命を 燃やす

蛍火の青白い炎に

優しく抱きしめられて

咲いては散りゆく花のかたち

宿命のように さだめられた終わりを恐れるあまりに

美しいものが見えなくなったの
こんなにも大切なものはそばにあるのに

つかの間のまぼろし
祭り囃子をかき消し
静けさの中に描いた
鬼灯色の夢の渡し船
心を乗せて明日の空へ

叶わぬ恋と 今は過ぎて

風の色が 変わったら
少しずつ 思い出すよ
あなたの横顔

ガラス細工のような きめ細やかな心

さよなら 夏の日に

宵闇の中に 浮かんだ
最後の命を 燃やす

蛍火の青白い炎に

優しく抱きしめられて

つかの間のまぼろし
祭り囃子をかき消し
静けさの中に描いた
鬼灯色の夢の渡し船
心を乗せて明日の空へ

花火の音に 紛れて

鳴きやむ 蝉の声。

2015/10/27 (Tue)
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