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[96528] WORDS

詩人:番犬

所詮、詩など言葉の羅列にすぎない
心を込める?
誰かに伝える?
馬鹿を言うな
人間と人間が顔を突き合わせ、幾百の言葉を交わしても交わしても、絶対に伝わらない事など、この世には掃いて捨てるほどに有るというのに
だからこそ現実にもがき苦しむ人間がいるというのに、詩人とはどうも過大評価を好むようだ
時に詩の中には宇宙があると言い出したり、時に詩の中には無限の可能性が秘められていると言い出したり

いいか
人間が人間の心を理解するのは、おそらく宇宙の真理を一人発掘するよりも困難だ
そして言葉の羅列だけでそれを伝えるというのは、宇宙の創造を凌ぐほどの至難の業だ

そこの詩人よ
思い上がってくれるなよ
貴様は所詮、自分の為だけの読み物を書いているにすぎないんだ







いつかどこかで触れた
血まみれの詩があったんだ
雨風にさらされ流され消えた
最後まで在ったような
最初から無かったような
狂ったように書き殴られた言葉の破片
狂うという事は最後の最後まで捧げ信じる事と同じかもしれない

そこに確実に存在した情熱に、俺は詩という物の生き様を見い出した



対比しよう
世界の終わりまで
幸福と不幸を天秤に乗せ
世界の終わりまで
メギドの空の下
世界の淵を見つめながら









俺の心の中でずっと泣いてる男の子
慰めの言葉を探して
俺はここまで来たのかもしれない
もっと遠くまで行くのかもしれない
そして最後には帰ってくるだろう
紆余曲折の宝探し
他人から見ればゴミくずみたいな言葉を探す旅
ああ
俺が詩を書く理由はそこにあったのか
いてくれたのか
ついてきてくれたのか











これは誰でもなく紛れもなく自分自身への詩である

2007/02/17 (Sat)
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