詩人:どるとる
どれだけ歩いたらたどり着けるだろう
どれだけ泣いたら笑えるのだろう
無声映画の中に 出てくる喜劇役者の
おどけた演技の裏に悲しみが見え隠れ
サイレント サイレント
鏡の向こうの 悲しみは
誰も知らない 見えない 聞こえない
サイレント 雨がいつ降るのかも知らない僕らには
悲しみから逃れるすべなどない
だから、悲しいときには涙が 拠り所のない君に寄り添うんだろう
だからその孤独には少しも落ち度はないしその涙は恥ずべきではない
いつまで待てば終わりは来るのだろう
例えば雨上がりの虹みたいな希望は
血潮さえ生々しく流れるこの世界にも
心優しい貧しい人に降り注ぐだろうか
アイラブユー アイニードユー
したりされたりのやりとりの中で
出会うすべての人に同じ愛を届けたい
あいにく台本もない台詞もない
すべては アドリブ 君も僕も 誰も皆
行き先のない旅です 宛もない旅です
風が吹くまま 気の向くままに
あっちにふらふら こっちにふらふら
甘い蜜の香るほうへ
優しい人がいるほうへ
僕は きっと演技の下手くそな大根役者
でも役者じゃないから下手でもいいのさ
どうぞ笑ってくださいな 生きることさえ演技みたいに生きる人たちよ
サイレント サイレント
鏡の向こうの 悲しみは
誰も知らない 見えない 聞こえない
サイレント 雨がいつ降るのかも知らない僕らには
悲しみから逃れるすべなどない
だから、悲しいときには涙が 拠り所のない君に寄り添うんだろう
だからその孤独には少しも落ち度はないしその涙は恥ずべきではない。