詩人:どるとる
いともたやすく夕闇に追い越された
いつの間にか 夕暮れも通りすぎて
もう夜と呼んでも差し支えないほど
あたりは薄暗くて足許さえ見えない
僕はまるで一人じゃ何も出来ない
孤独になったとたんに寂しくなる
雨粒に紛れて 涙を流していたこともあるんだよ
夕闇の中に浮かぶ 光は僕の涙 あの明かりの一つ一つも
もしかしたらあの街に住む 誰かの涙かもしれない
暗闇に灯すランプ それは明かりをとったり暖をとるだけが役目じゃないことも誰も知らない
ほら、誰かの涙がまた雨になって
ぬかるみのようにほほを濡らしたら
あなたの中の寂しさと混じりあって
優しさの形になって あなたを包むだろう
あなたを包むだろう
言葉にならない気持ちの傍らに
そっと灯る優しさ それはランプ。