詩人:どるとる
小さな箱庭 広げていたら
引き出しの中から涙があふれたよ
見渡せるほど 広くもないのにね
何を望んだんだろう
何が欲しいのだろう
ちんけな きれいごとで 模様替えしたところで
この部屋には もう戻らない誰かの笑い声
ただ忘れていくのを待つだけだ
花が枯れるのをひたすら待つだけだ
たとえば この場所が僕の知る唯一の世界なら
悲しみも喜びもまだ知らないに等しい
狼のふりをして 羊を 追いかける夢
でも 被り物を 剥いだら僕も羊で
ただ 愛すすべを知らないだけ
それでも 僕は 君を愛しているよ
だからドアを開けよう 寝坊助の僕らを朝が待っている。