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[189728] 両手望遠鏡

詩人:どるとる


繰り返し見る夢に

僕らは未来を 期待して

見えない箱の中には何があるんだろうな、と

開ける前から 楽しみにしていたよ

たとえなにかが 無惨に変わっていっても
あるいは 何ひとつ変わらなくても
そのときは そのときだ

君が見ている 未来はいつでもその先に

見えない透明の壁があって何も見えない

だからあれこれイメージして来るべき

未来を待ちわびてるの現在(いま)というバス停で

繰り返し見る夢に

僕ら 何を 期待しているのかな

声をあわせて歌ってるだけでこんなにも幸せなのに

これ以上 幸せになったら何か大切なものなくしてしまいそう

両手で丸をつくって望遠鏡みたいに
目にあてがって 覗き込んだ明日は晴れかな雨かな
それくらいしか今はわからない

僕らが予想してる未来はね案外現実的で

何も絵に描いたような未来を期待してる 訳じゃない

そこに君がいて 僕がいて 何年何十年先の今も

今日と同じようにそれなりに悲しくてうれしけりゃいい

不便なことは どんなに未来も不便なままで

電子レンジに お皿を出し入れする手間を

惜しんだら僕らはいよいよダメな人間になってしまう

だから不便な部分を残して 少し億劫で不便なくらいがいい

君が見ている 未来はいつでもその先に

見えない透明の壁があって何も見えない

だからあれこれイメージして来るべき

未来を待ちわびてるの現在(いま)というバス停で。

2015/11/04 (Wed)
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