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[189783] グレゴリー

詩人:どるとる


僕は大切な人に胸を張って愛していると言えるか

時には嘘をついてその大切な人を傷つけるのに

愛しているというその口で いつか誰かを傷つけて

抱きしめたはずのその手を勝手な都合で離してしまった

僕はこの 手を見つめたまま動けなくなった

誰も愛せなくなってしまったのはなぜだろう

悪魔になり損ねた僕を嘲笑ってくれたら楽なのになあ

こんな僕でもまだ君は嘘みたいに愛してくれるんだろう

昨日と変わらない優しさでその胸に抱き締めてくれるんだろう

それが僕にとっては何よりも悲しくてでも嬉しかったよ

だから僕らの距離は何度でも寄せては返す波の其れ

僕は大切な人から目をそらさずに目を合わせられるか

一度も過ちを犯さずにいられる人などいるわけないこと

いつもわかっているのに忘れたように僕はダメになる

君の優しさは僕を甘やかすためのものではないのに

僕は 君の海に 肩まで浸かって ふやけた心を見つめて

まだまだ僕も落ち着けないと 自分の弱さを知ったよ

薄汚れた鏡に映った ぼやけた 自分の姿が今の僕ならば

まだまだ僕は君を知らなきゃとわざと自分を嫌いになる

たとえば君が世界のすべてなら 僕は君を裏切るたびに
大切なものをひとつずつなくしていく

その痛みが教えてくれる 僕の中の気づかぬ「弱さ」を

心はまるでちょうどいい大きさの貯金箱みたいだなあ

空っぽになったらなんとなく寂しくなって

でもいっぱいに満たされてると どこか
安心して しまうから
感嘆のため息 雨降りの空はいつの間にか晴れて
雲間から陽射しがこぼれた 今はそれだけが希望です。

2015/11/08 (Sun)
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