詩人:どるとる
旅立つ君に 送る言葉は今は思いつかないからとりあえず元気でねそんな言葉だけ
発車のベルが鳴る 閉まったドアの向こう
君が手を振り 曇り硝子に指で書いた さよならの文字がにじんだ
泣いていたのかな 笑っていたかな
あの日の君は
雨が 濡らした君のほほに見えた涙
ふるさとの街が どんどん小さくなる
気づけばもうあんなに遠く 見える
さよならは言わないよ 代わりにまた会おうって約束した
いつ会えるかはわからないけれど
旅立ちのときは今 涙をぬぐう強さをください
このさよならはすべての終わり そしてすべてのはじまり
本当の悲しみも本当の喜びもまだこれから
僕は何も知らないよスタートラインに
立ったばかりの旅人
空はあんなに広いんだ 迷う必要はない
悩みなら風が笑い飛ばしてくれるから
夕焼けが 窓を赤く染める 風も冷たくなる
もう空は冬の色をしている 耳をすませば
鈴の音が リンドン リンドン
泣いていたのかな 笑っていたかな
あの日の君は
雨が 濡らした君のほほに見えた涙
ふるさとの街が どんどん小さくなる
気づけばもうあんなに遠く 見える
空はひとつにつながっているのに
僕の街はここからは見えない
あなたの笑顔はここからは見えない。