詩人:どるとる
ただ 白く透き通った瞳で空を見ていたの
あの頃の僕らは 世界をまっすぐ見ていた
見上げた空に 飛行機雲 流れて消えて
ただいつまでも ただいつまでも見てた
思い出は かげろうの向こう 炎天下の中に
駆け回る 僕らの小さな影 日に焼けた少年がいた
擦りきれたスニーカーと切れそうな紐
畦道に 落とした汗も赤い陽射しに乾いて
ビルの屋上 見上げた星空 勝手に名前をつけて呼んだ
あの日の君を呼ぶように 過ぎ去った夏を
振り返ると 蝉時雨と神社の赤い鳥居
隠れん坊してる 僕らがいた
「もういいかい まだだよ」
いつまでも終わらないと信じた日々
泡のようにとけた
思い出は かげろうの向こう 炎天下の中に
駆け回る 僕らの小さな影 日に焼けた少年がいた
その顔には 笑顔 太陽のように。