詩人:どるとる
電車の窓が スライドショーみたいに
次々に移り変わる ページを捲るように
光る魚みたいな 街明かりが
ビー玉みたいに はじけて飛び交う世界
ナイトスイミング 暗い海に飛び込みたい
飛び魚みたいに ためらいもなく波を味方にして
どんな切なさも どんな悲しみも全部
抱きしめては味わっては 乗り捨てて
あきらめては 途方に暮れてしまう
退屈紛れはいつまでも終わらない
夢のように めまいのするような
目眩く七色の歌に乗せて
名前のない明日を目指す
僕のスピードに 着いてこれるかな
予言者は 言うよ 饒舌 言葉巧みに
どんな本当もまやかしも同じ色
ナイトウォッチャー 泡になって消え去りたい
自己の破滅を望みながらも 幸せも欲しがる贅沢者
どんな ぬくもりも どんな 優しさも全部
光と影を抱く 綺麗なままではいられない
汚れても美しい ほら見た目じゃないんだよ
傷だらけでも泥だらけでも輝くすべを知る
目眩く 七色の夢に うなされて
理由のない 雨に うたれてる
つながるように 重なるように
やっと出た言葉は 曖昧であやふやな影みたいな かすかな余韻を残す
空白を埋めるためだけの ひと時なら
あまりある 人生を生きる意味などあるでしょうか
どんな切なさも どんな悲しみも全部
抱きしめては味わっては 乗り捨てて
あきらめては 途方に暮れてしまう
退屈紛れはいつまでも終わらない
夢のように めまいのするような
目眩く七色の歌に乗せて
名前のない明日を目指す。