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[98271] 終わり行く刻(とき)

詩人:甘味亭 真朱麻呂


僕達はいつ何時も手放すことなく
いつになろうと変わらないモノを持ち続けている
それはきっと年齢(とし)を重ねていくにつれ
私の心の中で静かに音もなく成長していくんだ
時には己さえも傷つけるけれども
それは僕達人間にはなくてはならないとても大事なモノ

時が僕達の命を少しずつ削るのは
きっと僕達の誕生(うま)れるずっと以前から
決まっていた事で
運命の下に於かれているモノでいうなれば宿命でもあるのだろう

そして僕達は枯れ、そして老いていく
神々の創造(つく)りし運命の天秤に乗せられて
時の砂が僕達の命の重さを越したとき
僕達はその永く果てしない旅を終える

終わり行く時の中で
散りばめられた
幾億もの光の欠片
その欠片を僕達は誰もがこの胸に秘めていて
誰もがその欠片を瞬かせる可能性を持っているんだ
ただ、その欠片は血もにじむような努力と頑張り次第で
有にも無にもなる
瞬かせるのは自分自身
神々が僕らに与えた試練なんだ
その試練を越えた先にある夢、理想を勝ち取れるのは生命の中でも数少ない
我々、人間だけだ

そしていつかそれに気がついた時
夢がキラリ瞬いて
強い輝きを放つなら
今、僕達は求むものを掴むため
夢までスーッと手を伸ばすだろう
人のぬくもりのような温かな光に包まれて僕達は夢をこの手にするのだろう。

2007/03/15 (Thu)
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