詩人:どるとる
すっぱい葡萄が食べたくなるの
季節を通り過ぎて風の行方を
探しに旅に出る 旅に出る
すっぱい葡萄が 食べたくなるの
悲しみの あとには
ただどこまでも 続く坂道が
果ても見えない
明日を 遠ざけるの
芋虫の歩く速さで
遊覧船のペースで
いろんなものを 見て聞いて
ああ いつの間にか
終着駅にたどり着く
終わりが見える そんな人生なら
季節を通り過ぎて風の行方を
探しに旅に出る 旅に出る
そして食べ終わったあとには
すっぱい葡萄の種だけが
数粒 残るだけ 残るだけ。
2015/11/23 (Mon)