詩人:どるとる
平らな空き地に 静かに風が通る
草花を揺らすだけのかすかなそよ風が
いつか誰かが 置き忘れた小さな思い出
何もない景色の向こうに僕は見ていた
数千の雨粒に映るたくさんの命の揺らめきとか
タンスの引き出しの奥にしまった 傷跡に
つないだ手のあたたかさ
そこにないものは 心が描く それはまるで魔法のようさ
泡みたいに 消えていく思い出があるなら
僕のこの切なさも連れて行って下さい
言葉をください 空っぽの僕の心に
透明な水で満たすように
溢れ出しそうな程に
目を閉じて描くのは いつもあなたの笑ってる顔
歌を歌うこと 音を紡ぐこと
つまり言葉をつないで ひとつの歌にすること
愛する人への言葉にできない思いのかわりに
手紙のように綴る 思いの丈
数千の雨粒に映るたくさんの命の揺らめきとか
タンスの引き出しの奥にしまった 傷跡に
つないだ手のあたたかさ
そこにないものは 心が描く それはまるで魔法のようさ。