詩人:甘味亭 真朱麻呂
白む十二月
街はきらめき
聖なる冬の夜
どこもかしこも人でごった返す
幸せそうに肩を寄せ合い歩く恋人たち
僕らはというと手もつなげていない
お互いに恥ずかしがり屋で
未だに一緒の夜も過ごせてはいない
たまのデートでどっかに行くくらいが僕らには
似合っているのかいないのか
ただ僕らは恋に臆病になって
君も僕も愛してるの一言も言えずに
ぎこちないまま
強引さが僕にはないから…
恋にはうとい僕だから…
そんなことじゃいつまで経っても手すらつなげずに終わっちまうよ
見上げれば雪が街を白く染めて
僕らの瞳にゆっくりと舞い降る
僕はなぜかどういう風の吹き回しか
気づかないうちに君の手をみないようにしながら掴んでた
二人は顔を赤く染めながら
ぎこちなくも恋路を歩いていくんだ
降り続く雪は明日には積もるだろう
僕らは不器用でも恋をしていく
淡い淡い雪のような恋をしていく。