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[189983] 赤トンボ

詩人:どるとる


夕暮れが 僕の影を 追い越して

すっかり 薄暗くなった街には

名前のない優しさが広がってた

商店街の 寂れた感じが好きなんだ

いつものあの店の売れ残りのコロッケ
変わらない味がした

帰り道 気づくと一人はぐれて町外れ

赤トンボを追いかけているふりをして

いつも孤独や寂しさを戯れに紛らせた

でも気づくといつも泣いていたんだ

本当はそんな僕を愛してくれる

夕暮れみたいな優しさが欲しかったんだよ

夜は案外 好きなんだよ
都合の悪いすべてを 見なくていいから

悲しいことまで思い出とは呼びたくない

だから、こっそり道端に捨てたい
だけど なぜか捨てようとするんだけど涙がきれいに見えた

捨てるに捨てられずやむにやまれず 持ち帰る

月のあとを追いかけていくけれど

いくら追いかけても追いつけないのは

遠くにあるからだよって気づいたときに

月はあんなに広い夜空に一人でいて

寂しくないのかなとって ふと思ったら泣けてきた

わけなどなく生きてます

意味など知らず生きてます

答えも出さず生きてます

それでも生きていていいだろう?

この涙が明日の僕を笑顔にしてくれると信じてるから

赤トンボを追いかけているふりをして

いつも孤独や寂しさを戯れに紛らせた

でも気づくといつも泣いていたんだ

本当はそんな僕を愛してくれる

夕暮れみたいな優しさが欲しかったんだよ

夢を追いかけているふりをして

希望を追いかけているふりをして

悲しみのあとを追いかけていたよ

気づいた僕は一人ぼっちだった

僕は一人だ 気づいたとき 僕はやっと孤独だと気づく。

2015/11/25 (Wed)
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