詩人:あいく
暮れの大掃除してて
窓開けたら部屋んなかに
蝿入ってきた
1.5cm位の大物
この時期に珍しい
窓開けてたら出るやろと
思ったがなかなか出えへん
だんだん鬱陶しくなって
打ち落とす事を決意
団扇をもって追い掛け回した
何度か団扇を振っとったら
うまい具合にヒットして
蝿をハタキ落とした
致命傷には至らなかったか
曲がった羽をヒコヒコさせて
もぞもぞ歩き回っている
そのまま団扇でトドメ刺したら
団扇汚れてまう思て
ティッシュかぶせた
ティッシュの下でまだ
もぞもぞ動いてる
、、、、、、、、あれ?
なんかトドメ刺せんなった
刺したくなくなった?
蝿だよ、、蝿
たかが、、、なんか?
これも命?
ちゃうちゃう、、
さっきまでヤル気満々やったやん
この大きさに躊躇いがあるのやろか?
トドメ刺したるほうが蝿のためやと
公儀介錯人、拝一刀、胴太貫を振り上げた
、、、、、んんン?もっとちゃうんちゃう?
気まぐれに湧いて出る仏心か?
自己満足的な良心の端っこが
面倒くさい感情にも思える、、、軽薄やな
結局トドメさせんかった
ティッシュに軽くくるんで
ティッシュごと窓の外へほり投げた
天意あれば又空も舞えるやろうと
などと言い訳がましく窓を閉めた、、、