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[146823] 嘘っぱちの昨日と本当の明日

詩人:どるとる


悲しいことが世の中にはあるから
それをなるべく避けるように僕らは生きる
でも避けられない悲しみがあるから僕らは無傷では天に召せられぬ

笑って泣いて
しばらくすれば
また笑ってる
そんな毎日がただ
流れてく 流れてく
臆病なこの僕を
ひざまずかせながら
何が楽しいのか
僕を泣かせて
何が可笑しいのか
僕はたまに笑って

今日もまた日が暮れればお日様も沈んで空はあっという間にその色を変える
ただそれだけでなぜか切なさが一気に胸を締め付ける

この世界に生まれたことが正しいなら僕は今こんなにも生まれたことを後悔なんてしてないね
だけれど昨日の僕は嘘のように笑ってた
自ら笑えていた
なんのためらいもなく

だから悲しいだけの僕はきっと嘘でその日もなかったんだと
まるで昨日の涙を消し去るように明日の笑顔に満ち溢れた僕だけを信じて
自分が笑って生きられる日を真実と決めた

死にたいだとか縁起でもないことをいうくらいなら嘘でいい 悲しいだけの昨日なんて消えちまえ 跡形もなく
その影ごと

すべての涙を嘘にしてしまうんじゃなく悲しい涙とうれし涙を分けて
すべての笑顔は大切に胸に抱きしめて
流した涙と浮かべた笑顔の大差など気にしないでただ真実の日だけを心にとどめる
実は悲しいことや切ないことは覚えていようとしなくても忘れないものなんだ
逆にね楽しいことを記憶にずっと閉じこめていることのほうが難を極めるのさ

だから悲しくなるんだね ただの夕暮れひとつにしても僕ひとり切なくさせることなどたやすいこと

でも忘れないでいるよ
今日の日の悲しみ
今は忘れたくても忘れられぬ邪魔な記憶でもいつかはきっと思い出すきれいな思い出に必要な試練だったと思えるように願ってる
その日の涙や頑張りがただの嘘にならないために意味のある傷だと思うことにする。

2009/08/27 (Thu)
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