詩人:はるか
夜があまりに綺麗なものだから靴を片手に飛び出した突き刺すような冷たさも体のほてりでびくともしない世界が全てあたしだけのものになった気がした世の中がこんなに泣きたいもので溢れているなんて想像すらしなかった頃は取り巻く全てが輝いてあたしは真綿に包まれて夢を数えた幸せなんて今も分からない心をなぞって輪郭を確かめながら夜空に手を伸ばす月明りに手の甲が青白くにじんだ