詩人:鴻
硝子に写る姿から
自分自身が消滅し
窓に写る姿から
自分自身の衝動が
黒笑を浮かべて 呟くよ
漆黒 底に落ちるのは
自分自身の性質が
自分自身を放棄して
落胆 落命 落陽と
堕ちてオチて落ち込んで
硝子に写る姿から
自分自身を消滅し
窓に写る姿から
自分自身に哂われて
だけど
何より恐いのは
透明人間なる事で
怪奇現象出来なくて
寂しさと強がりで
誰にも見えない自分自身
漆黒 底に落ちるより
硝子に写らぬ自分自身
窓に写らぬ自分自身
画面だけの自分自身
音の鳴らぬ自分自身
心だけで
身体だけで
生きたくねぇ ッテ
勝手かな…―
矛盾を奏でる有神論
孤独で奏でる無神論
“自意識過剰”
“独リ善ガリ”
ソンナ 自我…―
“『嫌ダナァ...』”