詩人:遥 カズナ
渚の夕顔は
白いワンピースの少女のよう
その夕立に濡れたしどけなさよ…
可憐と呼んで通り過ぎるに忍びず
眺めていると
ようやく日の射し始めた砂浜で
君を囲む鮮烈な黄緑と白
葉と砂の色が鮮明さを競い始め
その影も濃い程に
風は
君の虹色に輝き出したワンピースの可愛いらしさにいたたまれず
迎えに遊びに来ては
連れ去ろうとして吹いて
その度に
濡れた髪のようなツルをクルリと弾ませ
花びらの裾はひざ小僧を隠そうとしながら
ハニカミ
少女は優しく
僕に
微笑むのです…
2006/12/04 (Mon)