詩人:どるとる
「退屈」という獣に僕らは年中追いかけ回され
がんじがらめの毎日さ まるで捕虜みたいに不自由だ
血と汗と涙に濡れた「努力」や「頑張り」といったありふれた行いを
誰かに誉められたくて 願わくば 無意味なことで 終わらせないように
僕が積み重ねた いくつもの 「今」に光を灯すように
果てしなく広がるこの暗闇(やみ)に
朝を届けるのは 夜明けの太陽
おまえの手には ひとつの希望
そのわずかな光で未来を照らしてくれ
今日と明日は勝手には つながらない
今日と明日をつなげるのは自分の役目だ
さあ 聖火台に火を灯せ 希望が費えぬうちに
「妥協」してしまう諦めに ひれ伏してしまう弱さに
拳を 向けて 今一度 化け物じみた未来に牙を剥くのさ
星ひとつない夜に迷って 南がどっちかもわからない 地図もない航路だ
誰かがいう世界の構図は たかだか人間一人の目で見た ちっぽけで狭い世界
君が見つけた 目の前の扉を開けよう 鍵は必要ない
止まらずに 走れ 辿り着きたい場所まで
歌を歌うように声と声をつないでつくる
世界にたったひとつのオーダーメイド
おまえの目には幸せがどう映る?
ちょっと苦しい その苦しみを越えた先に
昨日より今日より輝く明日があるなら
昨日より今日より明日を目指す人になる
さあ 聖火台に火を灯せ 希望なき世界に
戦争のおろかさや 虐めの実態を
詳細に 書き起こした 紙の上に
降る涙は 誰が止めるの 誰が 掬い上げるの
みんな、独り言のように語る
手を差しのべるのはきまって同じ痛みを知る人だけ
それがこの世界の本当だ。