詩人:どるとる
くすんだ空から雨がぽつぽつ降り出して
街を濡らす
静かな街はやがて
傘の花でまるできれいなお花畑
この雨のひと粒ひと粒にはまるで涙のようにひとりひとりの悲しみや切なさが思いとなってぎゅっと凝縮してあるのさ
今 僕はただなんとなく生きているけれど
これが間違いなんて思ったためしはない
だから悲しくもない
ただね思うことは
この雨の冷たさは誰にも同じなのに感じ方が違うだけで心地よくもなるってこと
だから僕にはただ冷たい雨でも誰かにはやさしい雨なんだろう
雨宿り 誰かを待つ
そんな素振りで
いつまでも いられない
僕は意をけっしてずぶ濡れになること覚悟で飛び出した
傘もささずに雨の中
絶え間ない日々に
途方もない感情が降り注ぐ 僕を濡らす
まるで雨のように
涙がほら僕を濡らす
心に降るは雨
僕を濡らすは涙
ほら どうしたって冷たい雨はやさしくはならないでしょう
自分を守るための
傘を投げ出して
走り出したあの日の自分が今では勇気があるなと思うのだ
ただ、雨が降る景色を
空を 街を 人を
まるで映画でも観てるかのように傍観していた
主観的には見たくないんだよ
いつも隙あらば打開策よりも逃げ道を探す僕なのさ
今 僕はただなんとなく生きているけれど
これが間違いなんて思ったためしはない
だから悲しくもない
ただね思うことは
この雨の冷たさは誰にも同じなのに感じ方が違うだけで心地よくもなるってこと
だから僕にはただ冷たい雨でも誰かにはやさしい雨なんだろう
絶え間なく降り続く雨に永遠降られ
痛いほどの雨の冷たさに僕は今日ももてる言葉さえすべてなくしている
唯一 残っていたのはこの言葉だけ
死ニタイ…
ひとり 今日も自分を外側から眺めてみるよ
雨が降る中を ただ宛もなく 歩き続ける自分が悲しく見えた
今すぐ抱きしめたくなったの。