詩人:どるとる
夢も理想もどこかに落としてきたらしい
どうせ見ていても見ていないのと同じようなものだから
べつに気にしやしないさ
だけれどなんかさびしいものだね
今日まで生き続けてきて
いくつもの季節のページをめくってきた
その数だけ歳を重ねて何かを知ってきたかといえばそうでもなくて
なんとなく生きる日々に
なんとなく過ぎる日々さ
なんとなく生まれたから
なんとなく死ねていけたら幸せ
ただなんとなくで今日も目を開けてるのかつむってるのかもわからない
田んぼの真ん中に立ちつくす不安定なかかしみたいに空っ風に吹かれてる
表情も変えずに
呑めない酒のくせにいきおいで買ってしまったお酒みたいになんでもいきおいまかせの日々
コンビニ袋をぶら下げてため息ひとつこぼせば涙で月がにじんでゆく
もう 疲れたよ
僕は疲れたんだよ
何もしたくないよ
このまま楽になりたいぜ
自販機の小さな明かりが遠く近く揺れているのをただ眺めている
あれが俺の未来か
ああ ずいぶん安っぽい未来だな
まあ いいか
あんなんでも未来は未来だ
なんてさ、言ってる
自分じゃ死ねないから
命を惜しんでしまうから
雨に濡れているこの僕にとどめをさしてよ
生まれたことを今さら後悔してさ
間違いだって思うくらいなのさ
誰でもいいから
俺を殺してくれよ
こんな気持ちは
誰にも言えないよ
でも本気なんだぜ
悲しいくらい
切ないくらい
そう思う今
本当に疲れた
俺にあまってる時間
誰かにわけてやりたいよ
なんて たばこ吹かす夜もあったよ。