詩人:どるとる
願ってもけっしてもう戻らない時間が
残り少ない命を刻々と削っていく
景色が移り変わる 目にも止まらないスピードで
飛ばされていくよ もうあまり時間はないみたいだ
笑ってることや 泣いていることも
生きているからこそ出来る芸当だ
そんな当たり前なことに気づくのが少し遅かった
いつもならただ見過ごすような景色も
たとえば誰かの声も 空の色や花の形も
人生の最後に見る 景色ならば
どんなにきれいなんだろう
それとも 悲しく見えるかな
ただそこに流れる景色を 流れる時間が
優しく抱きしめてる
目の前に当たり前のように置かれたひとときの余韻に
誰もが身を委ね 気をゆるしている
幸せはそんな 気持ちの隙間に生まれるのかもしれない。