詩人:あいく
あの子は
とても強い子
いつもでも
とても大きな
バケツを持って
歩いてたんだ
どんな時だって
そのバケツの
中身を溢すことは
なかった
転んだ時もあった
それでも決して
溢さなかった
そうやって
ずっとずっと
歩いていたんだ
でもある日
その大きな
バケツから一滴
ほんの一滴だけど
流れ落ちた
いつの間にか
その大きな
バケツでさえ
いっぱいになってた
そうして溢れ出した
わずかな一滴
その一滴を溢した後
あの子は照れたように
苦笑いをした
あの子は
ほんとに強い子
私は溢した一滴よりも
バケツに残った方を
見てあげたい。。。