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[190086] 花の色

詩人:どるとる


僕はただ雨の音を聞きながら目を閉じた

聞こえるもののすべて
見えるもののすべて
それが世界と 思い込ませる色や形を
一体何が 正しいと決めつけるんだろう

人の命も 動植物のかすかな息づかいも
僕には同じに聴こえるのに 誰かがそれを 卑しくも否定する

うすべに色に 染まった 夕暮れに
長く 伸びた影を 見つけるだけで
どうして 切なさは この心を たずねてくるんだろう

土足で踏み荒らすような 悲しみは
この頬に 雨のカーテンを描くよ

さよならと 言葉にするたび 美しいはずのすべては とたんに悲しい色に染まる

たとえば瞳に寄り添うように片隅に映る花の色さえも
僕の世界を 水彩絵の具みたいに淡くする。

2015/12/04 (Fri)
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