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[190095] 二番線

詩人:どるとる


二番線のホームには冷たい風が吹く

僕らはつたない言葉を縫い合わせながら

いつまでもごまかしていたよ

なんとなく 言い出せなかった
さよならの一言が

離したくない手 振りほどいたら

君が泣きそうな顔で行かないでって言った

ドアが閉まる瞬間窓越しに 君が手を振る

あの時の君は どんな気持ちだったかな

さよならさえも言えない弱虫な僕を

愛してくれた君を僕は生涯かけて愛せるだろうか

白い冬の空に 小さく呟いた愛の言葉

手のひらにこぼれてやがてとけて消えた

よくあるドラマのワンシーンの真似して

ホームに着くなり走って君を抱き寄せた

点数つけて 30点って悪戯そうに笑う

たくさんの思い出を 抱えているけれど
ちっとも重くない

笑ったこと 泣いたこと 喧嘩したこと

泣き腫らした夜は 星を眠くなるまで数えた

すっかり 日の落ちた街並みを 懐かしそうに眺める僕と

そんなにたいして変わってないって顔の君

僕らには少し 距離ができたね

だけどそんな距離などまた 埋めれば いいことだ

ほらね 手を繋げば隙間なく

心はほどよくあったまって いい具合

明日はどこかに行こうか 土曜日だし

たとえば 君の悲しみも
たとえば 僕の悲しみと
少しも違いなんかなくて
だけど 同じでもない
だから、探すんだよ
君が何を 今悲しんでるのか そして何に苦しんでるのか

節穴の目でも 少しは 役に立てる

ドアが閉まる瞬間窓越しに 君が手を振る

あの時の君は どんな気持ちだったかな

さよならさえも言えない弱虫な僕を

愛してくれた君を僕は生涯かけて愛せるだろうか

白い冬の空に 小さく呟いた愛の言葉

手のひらにこぼれてやがてとけて消えた。

2015/12/04 (Fri)
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