詩人:千波 一也
あなたの肩に
ふゆはある
それを
みとめるだけで
あなたは
急いでしまうから
ふゆはなお
息づく
雪原の片隅が
孤独の
いどころ
おおきくなるには
時間がかかる
春をのぞみ
春をうたうころ
雪原は
ゆっくりと
ちいさくなる
つまり
いどころはうつる
春は
わすれてしまう季節
春はおそろしい
あなたの片隅に
ふゆはある
日々を
こまやかにゆけば
なお
しろは
目立たない
とめどなく
寒いゆめはないか
何気なく
ふるえる隙間はないか
巣のあるものはつよい
ふゆは必ずかえる
巣を持つものはつよい
2006/11/27 (Mon)