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[190136] その手ににぎられた未来

詩人:どるとる


通り過ぎてゆく 季節は新しい風を待ちわびて

めくられたページは 急ぎ足で 明日に向かう

いくつもの ドラマを抱きしめた
その手ににぎられた未来

快速電車は走る 僕らを乗せていく

変わらないままの景色が

合わせ鏡のように続いていく

どこまで行くのか また振り出しだ

答え合わせばかりしていたら ありきたりな正しさが

きれいごとしか言えなくなった僕をあざ笑う

自問自答はこの辺にして 思い切りだけでやってみよう

快速電車から降りたらそこは知らない駅

どっちつかずの表情をやめられずにいる

見上げた空に助けを乞うようでは

仕方ないよなあって自分に呆れ返る

行きつ戻りつの 旅も
やがて 落ち着く場所を見つけて

何者にもなれない僕も とりあえず
流れに乗って 当たり障りのない
暮らしに 腰をおろし 誰かと似たような色に染まる
そんなんじゃつまらないのさ

快速電車は走る 僕らを乗せていく

変わらないままの景色が

合わせ鏡のように続いていく

どこまで行くのか また振り出しだ

悲しみを抱いた痛みも
捨てきれない優しさも

アタマからひろっていくところから。

2015/12/08 (Tue)
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