詩人:戚龍 嶺
《修(しゅう)いつか、俺達が大きくなったらまた一緒にここに来ような!約束だぞ。》
中神 修(なかがみ しゅう) 17歳
猪飼 誡(いかい まこと) 17歳
彼らは…運命の悪戯によって残酷な道のりをしてしまった悲しき友達。
俺が、再び誡と会ったのは17歳の誕生日を迎えた日だった。
この時、俺はある組織から依頼を頼まれた。
その内容は…ある人物を殺して欲しいと言う依頼だ。
そう…俺の職業は、殺し屋。
小さい頃から親に殺しの秘術だけを教わってきた。
俺の人生は“殺し”と言う人の命を奪うとても残酷な人生。
だけど…そんな、俺にも大切な友が居たんだ。
とても、とても、大切なかけがえのない友人。
誡だ…。
でも、そんな誠との出会いが運命の歯車を回すことになろうとは…。
《一緒に また ここに 来ような!修ー…》
彼の笑顔だけが俺に残った。
(は……はぁ…っ、まっ、…こと?)
依頼で…頼まれて殺したやつが、大切なかけがえのない友だったとは…。
誰もが知るはずのないことだ。
俺の瞳には一つの雫が流れ落ちる。
(うっ、…どうして、なんだ?なぜ、俺がお前をっ…)
誡を抱きかかえる俺。
誡を抱きしめる俺。
涙が止まらない。
(泣くなよ…)
誡の冷たくなった手が俺の大粒の涙を手でふく。
(お前は、いつも泣いていたな・・・。いつも…あの、二人で遊んでいた…ところで…。修、これはっ、運命だよ。俺とお前の運命。死と生…二つの運命。だから…俺は、お前の所で死ねるなんてとても嬉しいよ…)
大粒の涙は、誡の頬にも落ちる。
最後に 会えて とても 嬉しかった…
好きだよ…修。
《はっ、ううう…くっ…誡ーーーーーー!!!!》
約束だよ。いつかまた、一緒に会えたら、ここに来ような!
俺と修だけの秘密基地に。
約束でした。
二人であの場所に行くことを…
しかし、彼はもう…何処にもいません。