詩人:槊哉
箱庭という楽園は
誰の為に存在するの?
その果実は
本当に黄金なの?
その果実は
本当に甘美な匂いなの?
その果実は
この世の物とは思えないほど 美味しいの?
本当はね
永遠の苦痛な色をして
醜悪な臭いを放ち
雑穢のような味がするの
でもね
人間は この果実を口にすることは出来ないの
だって
あまりにも強烈な臭いを放つものだから
遠くからでも
その異臭がして
誰も近づことうはしない
だから
その不浄な果実を
目にした人間は居ない
その果実を食べられるのは―――
人間の上に立とうとする者たちだけ
あっちの箱庭は
人間を護る楽園で
こっちの箱庭は
神々を攻撃する地獄
知らぬは 本人達ばかり
この事は神たちには内緒だよ?