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詩人:自己満足
俺たちが幼いガキだったころ
そう
まだ世の中のいろはの い も知らない時代
長い間、病に臥せていたお袋が突然自殺した
漁師だった親父は漁に行かなくなり
借金とママ母を家に連れて来て
ママ母はお決まりのように子供に虐待行為を始めた
そうさ
不幸自慢なら
そんじょそこらのヤツにゃ負けねえつもりだが
風鈴の音
雷に怯えて抱きしめてもらったこと
冷や汁
それだけの記憶を残して去ったお袋に
今日は花と線香持って逢いに行こう
そして聞くんだ
子供だった俺たちを残して
自ら命を絶って逃げたことが
心残りじゃなかったですかと