詩人:葵
覚えているでしょうか?
共に笑って 泣いて
過ごしたあの日々を
私たち ちゃんと
お互いに想いあってたよね
けれどまだ子供で
自分のことも
満足にできなくて
ふと気づいたら
貴方は私の元に
いなかった
どこへいったの?
何が間違っていたの?
心は離れたままで
いくつもの
季節が去っていった
時間(とき)とは
残酷なもので
一度できてしまった
溝を
さらに深いものに
してしまう
でも
私は決して忘れません
貴方が誉めてくれた髪も
貴方がつけた
心の傷も
もう この髪を撫でたり
この傷を癒しては
くれないけれど
覚えていることで
貴方を感じられるから
これ以上の贅沢は
言いません
これが良いことなのか
悪いことなのかは
わかりません
でも たとえ悪いことだとしても
自分に
嘘をつけるほど
器用ではないのです
だから私は今
貴方へ送る勿忘草を
抱きしめている
「私を忘れないで」と強く願いながら