詩人:Ace
九州の山は暑い
夜になると自分の指先すら見えなくなるが
さほど暗くない
タンザニアの夜は暗い
例えるなら
酸素を使いきった血液の
酸素を貪欲に飲み込むスポンジのようなドス黒さ
例えるなら
煙突の中
吸い込まれるようなあの黒さ
そこから生まれた
沢山の血と骨と命の雫
其がタンザナイトと呼ばれる宝石
沢山の労働者の命の塊
魂の集まり
其を見る限り
九州の夜には星もでる
そいつの100億年前は知ってるが
今はどうだかわからない
日本人は
タンザニアの昔すらわからない
そして
タンザニアは今日も暑い