詩人:望月敏彰
季節の変わり目に
思い出がよみがえる
風の温度 匂い
いやなこと たのしかったこと
さびしかったこと うれしかったこと
春には 始まりと終わりのつなぎ目を
夏には 長い時間の使い道を
秋には 寂しげな挑戦を
冬には 終わりと始まりへの不安を
振り返った辛い思い出は
懐かしくもあるけれど
後悔の時間はもったいなから
思い出したくないな
でもそれを今に活かせるのなら
思い出してやってもいいかな
春には 始まりと終わりのつなぎ目を
夏には 長い時間の使い道を
秋には 寂しげな挑戦を
冬には 終わりと始まりへの不安を
未来への新しい思い出のために
撮り溜めた写真は捨てていこう
どんな容量の大きいカメラでも
多くなりすぎてしまっては
良い写真が埋もれてしまうからな
春には
夏には
秋には
冬には
それぞれの思い出と
それぞれの出逢いと
それぞれの決意を新たに