詩人:青央紗
大きな亀裂が入った 虹に君が夢で見た うさぎがつまづく 紋白蝶がうさぎの体を立てなおす しろつめ草の草冠を頭に乗せて空の国の姫気取りで遊ぶ 緑色の目をした ひつじが私を地上に帰してはくれない 転んでひざから溢れ出したのはあなたの涙だった
話し声はしない ただ風の音だけ舞う 火を放ち夕暮れにした空にいたずら書きして引き出しの 中に閉まっていた 小さな星達を今日中に全て空に帰した もう人間には戻らずにこのまま、空を泳ぎたいって思ったけど、私は雪になって地上に舞い降りて人として生きて 大人になって
子供も産んで
母親になって
いずれまた、空に 帰れるように
魂に刻み込まれた罪を償いながら生きて行くの