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詩人:老女と口紅。
壁にもたれて泣く僕を じっと見つめるシャボテンが笑う
ゆっくりと流れた季節の中で 君との隙間を埋められないまま
時がカチカチと音を立て 二人の過去は刻まれてゆく
そんな僕の
強がりだけが泣き叫ぶ…‥
弱さだけが あざ笑う…‥
僕が君にしてあげた事は何
君が僕にしてくれた事は何
草原を駆け巡る秋風のように行き場所を見失った僕は
ただ壁にもたれて過去を悔やむだけ‥
愛につまづいた男だけれどあの日見た夢までも失いたくはない…
君への想いは 泣いて泣いて‥涙が枯れたら
そしたら
後は‥ 長い長い時間があわい思い出色に育ててくれるよね
もう泣くのはよそう‥
壁にもたれて泣く僕を
じっと見つめるシャボテンが笑うから…‥