詩人:亞利芻
寂しい時は目を閉じて
唱えるの
あなたが教えてくれた
寂しくなった時の
おまじない
人に聞かれちゃダメだよって
こっそり教えてくれた
秘密の言葉
ボクに教えちゃったら
お祖母ちゃんはどうするの?
時々会いにきておくれって
消毒液の香りがするお部屋で
お祖母ちゃんは笑った
口にするだけで
あたたかくなれて
言葉の響きが
どことなく愉しい
秘密の言葉
忘れないように
何度も何度も唱えたよ
「ありがと」 は
もう伝えようがないけど
おまじないを口にするたび
あたたかくなれるのは
魔法じゃなくて
優しいお祖母ちゃんを
思い出せるからなんだよね?
お祖母ちゃん
ボクももう少し強くなれたら
大切な誰かに
このおまじない
教えてあげようと思うんだ
ボクがいなくなっても
ずっと…
大切な人を
守ってあげられるように…